&MEDICAL/&メディカルとは

VOL.10 器作家 渡邉 由紀さん

column , クリエイターの健康プロファイル

ギリギリ小さい感じがいい

プロフィール
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。卒業後、陶芸に興味を持ち、多治見市陶磁器意匠研究所で陶芸を学ぶ。2年後独立。器作家として、ギャラリーや個展を開催。
https://yukiwpottery.tumblr.com/

器と向き合うときは、かなり集中力が高まっているので、何時間も同じ体制で過ごすこともザラという渡邊さん。また、家電は最低限しかもたないという中での〈softstone back〉健康のこと仕事のことについて、お話をうかがいました。

料理が好き。「器も作れたらいいのに」から器作家の道へ

私はエディトリアルが好きで、平面のビジュアルコミュニケーションデザインを学んでいたので、本を作ったり文字組みなどをやっていました。
器作家になろうと思ったきっかけは、大学卒業して就職する時まわりはイラストの道に進んだり、広告代理店やインテリア、デザイン系の会社を受けてたんですが、 私は特にやりたくなかったんですよね。あんまり気が向かなくて……。
でも、その頃からずっと陶芸には興味があって。陶芸を学びたかったんです。 料理も好きだったし、大学に入ると自炊する事も多くて、その時に「器も作れたらいいのに」って思ってました。それで、岐阜県多治見市にある陶芸の学校に2年行きました。

100にならない感じがちょうどいい

器を作る時に大切にしているのは、器そのものが主役にならないようにしています。
料理が乗って完成されるものだから、「あの器を使いたいな」って思ってもらうのがベストというか。焼けて仕上がった段階で100にならない感じを目指しています。
ちょっと「抜け」というか、多少足りないくらいがちょうどいいかなと思ってます。
最近はinstagramという素晴らしいものがあるので、みなさんが私の作った器を投稿してくれる写真を見たりします。
自分の器を使っている写真を見ると嬉しくて、いつも励まされます。想像を超えた使い方もあったりして。
でもそこはもう私の介入するところではないので、みなさんが好きなように自由に器を使っていただければ、と思ってます。

ろくろ作業など、長時間の前かがみ姿勢でバキバキ・・・

ふだんは、だいたいお昼頃から夕方まで集中して制作しています。仕事中はろくろがメインなので、前かがみで作業している時間が長いんですよね。肘と膝をくっつけて前かがみで1時間とか。だから、背中や腰を押すだけで痛くて。もうバキバキというか慢性的に痛いって感じです。
前は整体に通ったりもしてたんですけど、毎日行くわけにもいかないし。やっぱり自分のカラダは、自分が一番わかってる気がしてます。だから、最近はヨガをやったり、とにかく同じ姿勢でずっといないようにしています。あと、兄が貸してくれた商品がけっこう良くて、お尻をゴリゴリやってます。
もう痛くてアタタタタみたいな生活になっちゃうので、やらずにはいられなくて。
他にもストレッチボールを使ったり。調子が悪いな、筋肉が張ってるなと感じた時に、その時々に応じてヨガやストレッチをしています。

不思議な<soft stone back>。ギリギリ小さい感じがいい

<soft stone back>は、部屋に置きっぱなしでも気にならないところがすごく良いと思いました。
ポイって置いといても、じゅうたんの色と一緒になってて。そんなに邪魔じゃない、ギリギリ小さい感じがいいですよね。
私、マッサージ機って買おうと思ったことがないんですよね。もともと家電があんまり好きじゃなくて…。
一応、冷蔵庫と洗濯機は持ってるんですけど、これ以外はあまり増やしたくないというか。なんか自然のものじゃない感じ、家電の存在感が苦手なんです…。
あまりゴミを出したくない、というのもあって。器のB品はストックして、年に1~2回チャリティやクラフトフェアみたいなところで売る機会があるので、あまり捨てることはないんですけど。無駄になってゴミになってしまうのは、私の存在価値もどんどん下がっていっちゃう気がして、あまりやりたくないんです。
その点、<soft stone back>はなんか不思議ですよね。石のような形でマッサージしてくれるって。ふつう健康器具って、ヘンな流線型とかが多いじゃないですか。そうじゃないところが、すごくいいなって思いました。自然の中にあっても違和感がない。パッケージも素敵ですし。

柔らかくも硬くもなる。「土」の変化に魅せられて

器を作る素材が「土」だったというのは、陶芸を好きになったポイントですね。
木みたいにパーンと切ったら終わり、元には戻らない、というのとは違って。土だと、「あ、しまった」となっても直せるし、素材のこの柔らかさも好きです。
びしょびしょの泥みたいな状態から鉱石くらいまで、焼くと硬くなったり、わりと柔軟に柔らかさを変えられるのがおもしろい素材だなと思います。
加工の仕方にもいろいろあって、水のようにジェル状にしたり、素焼きして彫り物をしたりとか。チューブみたいなものの中に入れてピューッと描いたり、乾かしてから石膏の型に押し付けて均等にならしたり。土の素材の良いところを活かしてうまく加工できるので、おもしろいんです。

釉薬が反応する変化を楽しむ

今後の仕事の展望については、やはり「続けていくこと」ですかね。すでに発表している仕事の中でも、私なりにできていない部分も多いので、これは日々続けていくしかない。そうしないと、スキルも経験値も上がらないので。
私が作っている器は、釉薬の表情で見せていくものが多いんですね。白い土で作ったり、赤い土で作ったり。赤い土には鉄分が入っているんですけど、中の鉄分と外の釉薬が反応してこうした変化が出てきて、白い土とはまた違った表情が出るのもおもしろいんです。
それで、やっぱり焼いてみないとわからないんですよね。1個だけ焼くといっても温度が上がっていかないから、なかなかできなくて。そうすると月に何十回もは焼けない。ガス窯だと、個展前で月に2~3回、電気窯でもそんなに大差ないんです。
なので、経験を積んでスキルを上げていくしかないなって思います。

次回の展示
<Style up the Living〜花器のある暮らし〜>
9月18(金)〜10月3日(土)*会期中無休
〒177-0045 東京都練馬区石神井台3-24-39 ロイヤルコトブキ1F
copseにて
http://www.copse.biz/2020/08/02/13861

vol.10 渡邉 由紀さんのインタビューいかがでしたでしょうか。この企画は、取材させていただいたクリエイターさんのご紹介で次回の取材先が決まります。 さて、vol.11は、どんなクリエイターさんが登場するのでしょう!ご期待ください。

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