&MEDICAL/&メディカルとは

[特別対談] デザイナーClaesson Koivisto Rune × 大橋秀男【後編】

column | 2018.01.09

【前編】に引き続き、&MEDICAL(アンドメディカル)第一弾商品『soft stone』のプロダクトデザインを手掛けた、北欧を代表するデザインユニットClaesson Koivisto Rune(クラーソン・コイヴィスト・ルーネ)と、&MEDICALを事業ブランド展開する株式会社ドリーム代表取締役社長・大橋秀男との特別対談の【後編】をお届けします。

この対談は、2014年11月14日、スウェーデンの首都ストックホルムにあるClaesson Koivisto Runeのオフィスで行なわれました。

soft stoneの成功とは?

株式会社ドリーム代表取締役社長 大橋秀男(以下、大橋):Claesson Koivisto Runeのみなさんが『soft stone』に期待することは何ですか?

Claesson Koivisto Rune(以下、CKR):まずは、営業面での大成功を祈っています(笑)。私たちは、私たちが信じる最高のものを、プロダクトデザインとしてご提供させていただきます。これをぜひとも日本の、そして世界の、一人でも多くの方々に普及していただきたいと思います。
この『soft stone』の普及こそが、&MEDICALと私たち、共通の理想やメッセージを広く世界へ伝えることになると思います。「ユーザーにしっかりと伝わり、長く愛されるものであり続けること」。そうすれば私たちには、次のデザイン開発、という喜ばしき試練がやってくるに違いありません(笑)。ところで、逆にご質問させていただいてよろしいですか?

大橋:どうぞ、どうぞ。

CKR:「成功」にはいろいろな定義があると思いますが、&MEDICALプロジェクトにおける「成功」とはどのように定義されていますか?

大橋:先ほどエールをいただいたような、一人でも多くの方々にこの製品をしっかりと普及させていくという「数量的」な成功と、作り手としてユーザーのみなさんへメッセージを伝え、理想を共有するという「ブランド的」な成功、大きくその2つがあると思います。まずは、機能だけではない、デザイン的にも独自の医療機器を提供し、ユーザーのみなさんに洗練されたサプライズをお届けしたいですね。それによって、&MEDICALらしい仕事だなって思ってもらえたらうれしいですし、これは私たちの「感性」に訴えかけてくる成功ですよね。そして、やはり、販売数量としての経済的な成功ですね。これは「理性」で受けとめるような成功です。
私たちは、感性と理性が共に大切だと考えていて、この2つのバランスをとるというよりも、それぞれの成功に向けて、貪欲にこの2つを追い求めていきたいと思っています。

CKR:感性と理性、それぞれに訴えかけてくる成功ですね。では私たちも、Claesson Koivisto Runeにとってこのプロダクトの「成功」のイメージを表現してみますね。
ある人がsoft  stoneを買いました。それを、ココに普通に何気なく置いてみる。この家を訪れた誰もが、soft stoneを見て「この商品は何ですか?」と関心を持ったり、問いを発してくれるもの。そして10年後でも、買った人がふとsoft stoneを見て「これいいな」と、自然と思ってもらえるような商品であり続ける。こういったデザインを実現できたら、それはプロダクトと人間の関係において、ひとつの「成功」のカタチだと思えるのです。

大橋:いいですね。まさに我々が大切にしたい「温かな消費」の創造とは、そのようなプロダクトと人間の関係、それにまつわる情景なんだなと、改めて気づかされました。日本から遠いこのストックホルムの町で、ご縁をいただいたデザイナーにこんなイメージに満ちた言葉をいただけるなんて感動です。

 

コミュニケーションを通したライフスタイルの提案

CKR:私たちからお話をするのはおこがましいかもしれませんが、今回の医療機器のように、新しい分野・新しいマーケットに参入し、そこで勝負するための手段として、プロダクトのデザイン性で差別化する、ということをテーマにしていますが、良いデザインの商品ができてよかった、だけでは「成功」に十分とはいえないですよね。
やはり、大橋社長の言われる「数量」=商業的な成功をおさめることが大切です。そのためにも、このsoft stoneは特に、マーケットへのPRやユーザーとのコミュニケーションをうまく取り組んでいく必要があると思います。ソーシャルメディアやWebなど、soft stoneのメッセージを伝えるために「コミュニケーションの方法」にも気を配る必要あります。
私たちも、これまで多くのプロジェクトに取り組んできましたが、デザイン的には高く評価されて、さまざまな賞を受賞したものもありますが、宣伝、PRをうまくできず商業的には失敗したものも少なくありません。「コミュニケーションの方法」までをデザインして、実行していかなければなりません。

大橋:ありがとうございます。ちょうど社内でも、ブランドや広告宣伝の戦略について協議する中で「しっかりとユーザーのみなさんにsoft stoneのメッセージをお伝えする」、それを「ヒット商品」につなげていく方法に取り組んでいるところです。新たな困難の連続なんですが、それこそ挑戦的で、やりがいのある仕事だと感じています。今後の&MEDICALとのコラボレーションでも、さらに期待したいことはありますか?

CKR:これからも緊密なコミュニケーションをとりながら、デザインとプロダクト制作とが、より一体感をもってやっていきたいですね。そのためにも、社内エンジニアやデザイナー部門をさらに充実されてはどうでしょう? そうすれば、もっと効率的・効果的に、プロダクトデザインや制作の詳細についても、お互いに影響し合ったり、調整ができるものと思います。いつでもお会いできればよいのですが、何しろスウェーデンと日本は、地球の表と裏、ですからね。

大橋:ええ、そうですね。みなさんとの出会いに感謝しています。一つのプロジェクトに腹をくくって取り組む覚悟をお互い共有できました。このたびは本当に素晴らしい気づきをいただき、ありがとうございました。

CKR:こちらこそ、ありがとうございました。ぜひ、また直接お会いできる日を楽しみにしています。次回はぜひ社員のみなさんでストックホルムにいらしてください。soft stoneの普及をみんなでお祝いしましょう。ストックホルムをはじめ、欧米、アジア市場、そして全世界に、soft stoneが普及していくような「全社員の誓いの場」にしましょう。私たちは、これからもいつでもプロダクトデザインをサポートし、&MEDICALのパートナーであり続けるよう、挑戦的な努力を続けてまいります。

(終)

 

 

 

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